研究概要 |
1.欧州における市場支配的地位の濫用の規制と日本法の比較研究を進めた。2004年9月にはドイツベルリンにおける"Change of Governance : Europe, Japan and the US -Corporations, States, Markets, and Intermediaries-"と題するConferenceにおいて公益事業の国家補助と独禁法に関する報告を行い、その成果は2005年夏にOxford Pressから出版される予定である。また、欧州における電気通信事業のSMP規制と有効競争レビューの規制枠組みとレビューの実態について研究を行い、その成果は、公正取引委員会の競争政策研究センターの報告書(研究発表欄参照)としてとりまとめた。さらに、独占禁止法に支配的地位の濫用規制につき明示の規定がないことの意味と効果について、「公正」等の観点から比較を行う研究について、神戸大学21世紀COE国際シンポジウム「アジア市場における持続可能な競争秩序の多様性に向けて」(10月23日)において独禁法のアジア、日本、欧州等との比較研究を報告し、アジア、米国からの参加者と討議を行った。この際のナショナルレポートと討議の成果は神戸法学雑誌等に掲載の予定である。 2.エッセンシャルファシリティ理論を巡る立法案を検討し、その要件の意味と要件を以下に詰めるべきかについて研究を行いその成果はジュリスト(研究発表欄参照)の論稿として掲載した。なお、立法案については、自由民主党独禁法調査会について有識者からの意見聴取として意見聴衆と質疑をうけた(2004年2月24日)。 3.日本における電気通信分野における競争評価に関わった。「電気通信事業分野の競争評価カンファレンス」(総務省ほか、2004年6月14日)において「競争評価結果と今後の政策展開」のパネリストとして議論を行い、また競争評価のあり方について競争法の観点から逐次助言を行った。
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