研究概要 |
企業および企業組織の変動が労働法に対してどのような課題を投げかけているのかについて、<組織の範囲>と<組織の成員>という二つの視点から、検討を行っている。 平成17年度については、二つのことを行った。 一つは、<組織の範囲>と<組織の成員>の変動が労働法の再定義を迫っているという点についての研究成果を国際学会で発表し、一定の評価を受けたことである。具体的には、(1)平成17年10月7日-9日、アメリカ合衆国カリフォルニア州立大学ロスアンゼルス校で開催された、UCLA Conference on the Past and Future of Comparative Labor Lawにおいて、Changes in Enterprise Organization, Diversification of Employment Forms and Redefining Labor Law in Japanと題する報告を行った。(2)平成17年10月31日-11月3日、台湾の台北で開催された国際労働法・社会保障法学会の第8回アジア会議において、The Impetus for Economic Restructuring and the Protection of Workers' Rights in Japan という報告を行った。 もう一つは、労働法における「企業」概念について検討を行った。具体的には、コーポレート・ガバナンスや企業の社会的責任など企業のあり方を問う議論が労働関係の法的世側面についてどのような影響を及ぼしているのかについて研究を行った。その中間的な成果としては、拙稿「コーポレート・ガバナンスと労働法」『季刊・企業と法創造』第2巻2号・3号合併号所収(近刊)がある。
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