本研究の目的は、近年のわが国の刑事関係の国際条約とその担保刑事立法の関係を、条約ごとに検討し、総合的に分析するものである。このうち麻薬新条約とその国内担保立法である麻薬特例法との関係等については、最近の判例の分析等をとおして検討を行った。 国際組織犯罪防止条約とサイバー犯罪に関する条約の国内担保法は、同一の「刑法等の一部を改正する法律案」として平成16年に国会に提出され、現在継続審議中である。また国際組織犯罪防止条約の議定書である「人身取引議定書」については、それを担保する刑法改正案が平成17年に国会に提出される予定である。 これらの問題について、研究代表者(芝原)は、法制審議会委員等として、同審議会の審議とその準備の過程等で研究の機会を得、その後も引き続き研究を行った。これらの研究成果は、平成17年に刊行予定の著書の一部として発表する計画である。
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