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2004 年度 実績報告書

日仏の消費者保護法制と契約法理論の変容の研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530072
研究機関立教大学

研究代表者

野澤 正充  立教大学, 大学院・法務研究科, 教授 (80237841)

キーワード情報提供義務 / 消費者契約法 / 助言義務
研究概要

本研究の目的は、契約当事者の「合意」を中心に組み立てられてきた伝統的な契約法理論が、現代においてどのように変容し、今後どのような方向に向かって展開してゆくかを、諸費者法制を手がかりとして、明らかにすることを試みるものである。そして今年度は、主として担保契約につき、フランスおよびEU法の消費者保護法制の影響によって、その基本的な考え方が変容していることを、フランスでの調査も含めて検討した。より具体的には、伝統的な私法契約における商人と非商人の区別が失われつつあり、それに代わって、事業者と消費者(非事業者)の区別が担保契約においても重要になってきていることを指摘することができる。たとえば、担保権の選択についても、所有権担保や請求払補償契約のような国際商事取引では、事業者間にのみ利用され、一般の消費者はそれを利用することはできない。また、フランスにおける保証契約では、会社の経営者のような事業者によってなされる保証と、非事業者によってなされる保証とでは、適用される法制度が異なっている。とりわけ、保証人が非事業者である場合には、判例によれば、金融機関が助言義務(情報提供義務の一種)を負うとされている。ただし、2003年8月1日の法改正によって、事業者であると非事業であると問わず、保証人に手書き(mention manuscrite)が要求され、それがないと保証契約が無効とされることとなり、この点での両者の区別は明確ではなくなったといえよう。しかし、消費者保護法制が契約に与える影響は明らかであり、今後はより一般的な契約にも検討の幅を広げることとしたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 営業譲渡・契約譲渡と譲渡人の債務の承継2005

    • 著者名/発表者名
      野澤正充
    • 雑誌名

      みんけん (発表予定)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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