研究課題
基盤研究(C)
1 本研究は、第一にWTO/TRIPS協定における知的財産制度に関する規律についての総論的研究を行うとともに、第二に、第一の総論を踏まえた各論として、主に並行輸入問題及び地域経済統合における知的財産条項の位置づけという二つの具体的テーマについてWTO/TRIPS協定の観点からの分析検討を行うことを目指すものである。2 平成16年度においては、15年度に引き続き、学術文献、国際機関の資料、裁判例等の調査分析を行うとともに、研究終了年度として、研究成果のとりまとめを行った。研究成果について、具体的には、第一に、研究テーマ全体をカバーする報告を日本工業所有権法学会において行う(後掲11の第四論文がその要旨)とともに、研究論文(後掲11の第一論文)を発表した。これらは、知的財産制度に関するWTO/TRIPS協定の規律につき、GATT等の協定をも視野に入れて詳細に論じたものである。第二に、上記の具体的テーマ(並行輸入及び地域経済統合とWTO/TRIPS協定の関係)について、研究報告及び判例評釈の形で研究成果を発表した。3 上記研究成果のポイントは、知的財産制度を巡る国際的な問題の検討に当たっては、知的財産制度を直接扱うTRIPS協定のみの観点から検討するのでは不十分であり、物の貿易を規律するGATTやサービス貿易を規律するGATS等との関係も検討する必要があるということである。そして、並行輸入に関する諸外国の法制や、地域経済統合における知的財産制度の扱いについては、WTO協定との整合性、さらには国際的な知的財産制度のフレームワークの構築の観点から、種々の問題があると考えられる。本テーマについては、今後さらに理論的検討を深めるとともに、実務面での対応も必要と考えられる。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (10件)
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Jurist No.1269
Bessatsu Jurist No.170