• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 研究成果報告書概要

デザイナーチャイルドの是非:体外受精卵の遺伝子操作によるヒトの子をめぐる法政策

研究課題

研究課題/領域番号 15530081
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 新領域法学
研究機関法政大学

研究代表者

和田 幹彦  法政大学, 法学部, 教授 (10261942)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
キーワード法 / 生命倫理 / 遺伝学 / 遺伝子操作 / 自己決定 / クローニング(ヒト・クローン) / 科学政策 / デザイナーチャイルド
研究概要

本報告書は、まず前半で、クローンベビーの規制、特に2002年来の国連での禁止条約をめぐる動きを調査した。結果からいえば、国際社会は「クローンベビーは望ましくない」と同意していたにもかかわらず、その出生を、早い時期に条約で禁止することには失敗した。
この影響は、クローンベビー問題にとどまらない。これと並び、21世紀社会への挑戦となるであろう問題に「デザイナーチャイルド」がある。本稿ではこれを、「ヒト精子・卵子・受精卵の染色体上の遺伝子操作、いわゆるgermline engineeringを経て出生した子」に限定して論じた。クローン禁止条約策定の失敗は、21世紀へのインパクトがより大きい「デザイナーチャイルド」の国際規制の合意形成にも、暗雲をもたらしかねない。本報告書の後半は、クローンベビーと対比しつつ、日本ではあまり論じられなかったデザイナーチャイルドの危険性や「魅力」、誕生への賛否を検討し、国内外での規制が必要であることを示した上で、我々が現時点でできることは何か、解決策を提示した。
具体的には、政府・総合科学技術会議が2005年5月にデザイナーチャイルドの是非について専門家を招いた上で議論を開始したことをふまえ、ヒトクローン技術等規正法の附則の下で、「ヒト受精胚の人の生命の萌芽としての取扱い[…]に関する総合科学技術会議における検討の結果を踏まえ[…]必要な措置を講ずる」内容として、デザイナーチャイルドの問題も含みうることを提案する。また、新たな科学技術の発展に、社会や法制度の設備が追いつかないという現状こそが、危急の問題であり、問題の解決に特化した体制が、行政・研究機関を問わず、分野横断的・学際的にに採られること、そこでは新たな問題を常に探求し、早く発見し、徹底的に議論し、解決策のストックをもっておくことが最も効果的であると結論づけた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2003

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 遺伝・遺伝子情報・遺伝性疾患と法 そしてクローンベビー・デザイナーチャイルドへ?2005

    • 著者名/発表者名
      和田幹彦
    • 雑誌名

      法社会学 62号

      ページ: 41-53

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] クローンベビーとデザイナーチャイルド2003

    • 著者名/発表者名
      和田幹彦
    • 雑誌名

      法学志林 101巻1号

      ページ: 1-30

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Japan Banned Reproductive Human Cloning : What About Designer Children? -- Studying the Possibility of International Agreements for the Control of Cloning Babies and Human Germline Manipulation2003

    • 著者名/発表者名
      Mikihiko Wada
    • 雑誌名

      Bioethics : Frontiers and New Challenges," presented and distributed at The Fulbright Brainstorms 2003 : Lisbon, Portugal, Saturday, February 8th, 2003 (Session 5: Human Cloning/Stem Cell Utilization)(Arthur Caplin, ed.) (in press)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [図書] 法と遺伝学2005

    • 著者名/発表者名
      和田幹彦(編・著)
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      法政大学出版局
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

URL: 

公開日: 2007-12-13  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi