研究課題/領域番号 |
15530085
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
権左 武志 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (50215513)
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研究分担者 |
山本 文彦 北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (30222384)
田口 正樹 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20206931)
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キーワード | ライヒ(帝国) / 選挙侯 / 皇帝権 / 大司教 / ヴェストファーレン条約 / 歴史哲学 / 主権 / ライン同盟 |
研究概要 |
1.中世:トリーア大司教バルドゥインに関し、二次文献を通じ研究状況を整理するとともに、関係史料を収集した。研究状況については、普遍的皇帝権を志向する皇帝ルートヴィヒ4世の路線に対しドイツ・ライヒの「国民国家」的発展を擁護しようとした人物としてバルドゥインを評価する1930年代のE・シュテンゲルの学説が今日まで大きな影響を及ぼしているものの、疑問の声も散見され、バルドゥインを選挙侯、トリーア大司教座、出身家門のルクセンブルク家といった多面的な文脈でとらえる必要がある点を確認した。 2.近世:本年度は、1648年のヴェストファーレン条約に関する現在の研究動向の整理に主眼を置いた活動を行った。1998年にヴェストファーレン条約350年を記念した催しとともに、ヴェストファーレン条約に関する多くの研究が行われ、この時点で行われた研究の出版が一段落するとともに、その評価も定まりつつある。これら研究の情報収集・整理を行い、研究動向を考察し、以降の資料収集のための基礎的なデータを作成した。 3.近代:4月より5月、ドイツでの在外研究を利用し、ヘーゲル歴史哲学講義の第4部ゲルマン世界を対象とし1830年度カール・ヘーゲル筆記録を解読する作業を行い、ゲルマン世界の第3期近代につき解読原稿を作成した。また、ヘーゲルの歴史哲学、宗教哲学、哲学史、美学各講義を対象とし、クロイツァー論争に言及している全箇所を調査するとともに、クロイツァーの著作の該当箇所を読解し、批判者の全資料を収集した(以上の研究成果は(1)に発表)。同じ機会に、ワイマール共和制期の主権理論に関わる新資料を調査・検証した上で、研究成果(2)(3)(4)を発表した。3月には、ライン同盟愛国主義の研究者ゲルハルト・シュック博士をドイツ史研究会に招き、「ライン同盟の諸改革と一八〇〇年前後の連続性問題」というテーマで帝国解体期の主権概念の変動に関する共同研究を行った。
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