本年度は、本研究に関する政治・外交資料の調査・収集に重点をおいて、研究を進めた。とくにイギリスの国立公文書館にはじめて出かけ(2003年9月)、資料の調査・収集ができたことが、重要な成果であったと考える。約一週間の調査で収集した数百点の文書につき、これまでに収集したアメリカ側の資料、近年公開されている日本側の資料と、つきあわせて、いくつかの問題--平和条約における安全保障関連規定の成立、「イギリス草案」の諸問題、中国代表権問題--につき検討し、知見を深めることができた。なお、その成果の一部は、関西政治史研究会(2004年1月)において「新資料から見たサンフランシスコ平和条約」と題して研究報告した。次に、国会図書館では3回、新聞資料に関して調査を行った。外務省外交資料館にも出かけて追加的な資料調査を行った。残念ながら、アメリカ国立公文書館には出かける機会がなかった、2001年の調査の際に行った情報公開の資料の入手が出来ていないので、本年度は見合わせることにしたためである。(マッカーサー記念図書館での調査も見合わせた)。しかし、アメリカ側資料に関しては、ダレス国務長官と平和条約関連の重要なマイクロフィルム集を入手することができたので、これから研究に役立たせることができると考える。もちろん、外交文書だけでなく、本研究に関係する、学術図書、論文の収集・分析についても、一定の成果があったと考えている。
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