本年度も、昨年度に引き続き本研究に関する政治・外交資料の調査収集を進めた。昨年度はイギリスの国立公文書館で調査を行ったが、本年度は、その調査で得た知見をふまえて、アメリカで調査を行い、アメリカ国立公文書館、マッカーサー記念図書館に足を運んだ(2005年2月)。国立公文書館では2001年に行った調査の補足調査を行い、これまで見落としていくつかの点について情報を得ることができた。また2001年調査の際に請求した情報公開請求文書の審査状況についても、審査が進んでいるという有益な情報を得ることができた。マッカーサー記念図書館での調査ははじめての経験であったが、マッカーサーとGHQ関連文書の概要について識見を深めることができたと考える。昨年度入手したアメリカ外交文書(マイクロフィルム)の分析はまだ終わっていない。だが、これまで見たところ、研究に役立つ文書が多いのは確かである。それも含めて本年度は結局、アメリカ・イギリス両国で調査収集した文書の分析が研究の中心になった。日本側の資料については、国会図書館にも数回出かけるなどして、新聞資料の調査に力を入れた。この調査によってこれまでに公開された外交文書の意味を当時の政治社会の文脈の中で検討することができたと思う。
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