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2004 年度 実績報告書

GATT・TRIPs交渉の開始に米国の多国籍企業の圧力活動が果たした役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15530104
研究機関広島大学

研究代表者

遠矢 浩規  広島大学, 大学院・社会科学研究科, 助教授 (80294502)

キーワード国際政治経済学 / 知的財産権 / アメリカ / 多国籍企業 / 圧力団体 / GATT / TRIPs / アジェンダ・セッティング
研究概要

米国の多国籍企業が「TRIPs」をGATT・ウルグアイ・ラウンドのアジェンダにすることを目的として日米欧政府及び国際機関に対して行った圧力活動の実態(特に「知的財産委員会(IPC)」の活動)を解明するため、ジュネーヴと日本で関係者への訪問調査(インタビュー)を行った。また、前年度に行った米国訪問調査のフォローアップとして、関係者へのメール及び電話でのインタビューを実施した。さらに、訪問先や国内のアメリカン・センター等において関連資料を収集した。
上記調査の結果、以下の諸点が明らかになった。(1)IPCの中核メンバー(ファイザー及びIBM)は、IPC結成前に、「知的財産権=貿易問題=GATTマター」のアイデアを、(a)米国国際ビジネス評議会(USCIB)等を通じて米国産業界に、(b)大統領貿易交渉諮問委員会(ACTN)を通じて米国政府(USTR)に、(c)OECD経済産業諮問委員会(BIAC)や日米財界人会議等を通じて先進各国の産業界に、それぞれ広めることに成功した。(2)IPCは、(a)USTRが参加する4極貿易大臣会合(QUAD)や非公式専門家会合(Friends of Intellectual Property)を通じて、また、(b)IPC自身が参加する日米欧民間3極会議(IPC、UNICE、経団連)を通じて、先進各国(特に日本及びEC)の政府に上記アイデアを共有化させることに成功した。(3)IPCはGATT、世界知的所有権機関(WIPO)、OECD等の国際機関にも直接働きかけたが大きな成果はあげられなかった((1)〜(2)により先進各国の政府を通じてGATTでのアジェンダ・セッティングに成功したが、WIPO及びOECDは最後までIPCのアイデアを共有しなかった)。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 米国国際ビジネス評議会のプラット・スピーチに関する考察(二・完)2005

    • 著者名/発表者名
      遠矢浩規
    • 雑誌名

      広島法学 第28巻第3号

      ページ: 150-162

  • [雑誌論文] 米国国際ビジネス評議会のプラット・スピーチに関する考察(一)2004

    • 著者名/発表者名
      遠矢浩規
    • 雑誌名

      広島法学 第28巻第2号

      ページ: 230-240

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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