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2004 年度 実績報告書

冷戦後のEU拡大「効果」に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530105
研究機関静岡県立大学

研究代表者

小久保 康之  静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (60221959)

キーワードEU / 拡大 / キプロス / トルコ / キプロス問題 / 欧州近隣諸国政策 / EU加盟交渉 / ギリシャ
研究概要

本年度は、昨年度からの継続テーマとして、キプロスのEU加盟問題とトルコ・EU関係を、新規テーマとして過去のEU拡大の経緯の整理と新たなEU隣国諸国へのEU側の欧州近隣諸国政策(ENP)について研究を進めた。キプロスの南北統一に関する国連調停案について、南北キプロスで国民投票が実施された結果、トルコ系の北キプロスでは賛成が多数派となったものの、ギリシャ系の南キプロスで反対票が過半数を占め、結局キプロスのEU加盟前に同国の統一問題は解決に至らなかった。現状は南キプロスのみがEUに加盟し、その後トルコが新規EU加盟国とトルコとの関税同盟を承認するという間接的な方法でトルコが南キプロスを事実上承認することになったが、まだ問題解決には至っておらず、EU加盟が「キプロス問題」を根本から解決する契機にはならず、EU拡大効果にも一定の限界があることが露呈された。対トルコ関係では、トルコがキプロス問題の解決のみならず、様々な改革を進めたことで、同国の加盟交渉が2005年10月から開始することが2004年12月のEU欧州理事会において決定され、こちらはトルコの政治・経済状況の改善にEU拡大が一定の効果を上げていることが見て取れた。EUのトルコ加盟問題については次年度も継続的に動向をフォローし、概要を整理して公表する予定である。また、EUのこれまでの拡大プロセスにおいてEU拡大「効果」がどのように活用されてきたか、についての考察を始める初期研究として、過去の拡大の概要について整理した。更に、2004年に25カ国に拡大したEUが新たに境界を接することになった隣国諸国に対して始めた欧州近隣諸国政策がEU拡大「効果」と同様に周辺地域の政治的安定と経済的繁栄を確保しようとしている点を明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] キプロスのEU加盟と「キプロス問題」2004

    • 著者名/発表者名
      小久保康之
    • 雑誌名

      日本EU学会年報 第24号

      ページ: 50-66

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] EUの拡大2004

    • 著者名/発表者名
      小久保康之
    • 雑誌名

      三田評論 5月号

      ページ: 26-31

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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