研究概要 |
本年度は当研究の最終年度に当る。そこで、より広い視点から、G.H.ブッシュ政権のアジア外交を、(1)レーガン,G.W.ブッシュ両共和党政権の外交との比較,(2)G.H.ブッシュ政権のヨーロッパ外交との比較,という二重の比較の中で検討した。 (1)では,共和党保守派の台頭が顕著になり,とくに冷戦終結ののち超党派(バイパーティザン)外交の基盤が蝕まれていくと同時に,外交に果すイデオロギーや宗教の影響力増大が確認された。 (2)については,対ヨーロッパ外交では,G.H.ブッシュ大統領自身の関与と関心が強く,また,大統領の意を受けたジェームズ・ベーカー長官下の国務省上層部の役割が大きいこと,国内世論の振幅の度合いが少ないことなどが確認された。アジア政策に比して,トップ・ダウン型で安定的であると言える。 従来と同様,東京を中心にして,日米両国の政府関係者や専門家とのインタビュー調査を重ねた。
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