研究課題
社会の意志決定手続きは、実現可能な選択肢に関する社会構成員の選好や態度を表明させ、それらを集約するもの、と一般的には捉えることができますが、国際社会における決定手続きも同様です。本研究では、社会の決定手続きを、社会の構成員の選好プロファイルの集合から選択肢の集合への関数として、数学的に定式化し、Social Choice Functions(社会的選択関数)と呼んでいます。本年度は、分割不可能財を分配するためのSocial Choice Functionsを特に研究しました。Strategy-Proofness(戦略的選好表明を抑止するための条件)、Pareto-efficiency(効率的に財が配分されるための条件)を満たすSocial Choice Functionがuniqueであり、それがVickrey Allocation Ruleであることは、Holmstrom(1979)によって証明されています。しかし、ときとして、効率性より公平性が重視されることがあります。そこでPareto-efficiencyに代えて、Anonymity(社会の構成員が公平に扱われるための条件)をStrategy-Proofness、Individual Rationalityとともに満たすSocial Choice Functionsを特に研究しました。この三つの条件を満たすSocial Choice Functionがuniqueであり、それがVickrey Allocation Ruleであることを証明しました。この結果は、Institute of Social and Economic Research, Osaka University, Discussion Paperとして発表します。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
Institute of Social and Economic Research, Osaka University, Discussion Paper, March