• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

従業員の人事データと意識調査結果に基づく日本企業の報酬構造とその変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530119
研究機関一橋大学

研究代表者

都留 康  一橋大学, 経済研究所, 教授 (00155441)

キーワード人事データ / 報酬構造 / 人事制度改革 / 職能資格制度 / 職務等級制度 / 労働意欲
研究概要

従業員個人の人事考課,昇進・昇格,賃金などの履歴を年々記録・蓄積した企業内の人事データは,企業がいかなる人事政策を採り,どのような報酬構造を実現しているのかを,結果面で厳密に把握するための不可欠の資料である.本研究では,製造業企業A社の人事データと従業員意識調査結果とを用いて報酬構造を実証的に分析することを目的とした.
分析の結果,以下の点が明らかとなった.第1に,A社では2000年以前には職能資格制度を採用していたが,従業員の高齢化に伴い高位資格への自動的な昇格や滞留などの年功的弊害が目立ってきた.この問題を解決するための手段として,A社が採用した手段が管理職層に対する職務等級制度の導入であった.第2に,こうした改革の結果,A社の報酬構造は大きな変化を遂げた.具体的には,中高年齢層で賃金のバラツキが拡大し,賃金勾配が緩やかになるという変化がみられた.以上は人事データからの分析結果であるが,人事データと従業員意識調査結果を接合させると.さらに次の点が明らかとなった.すなわち,職能資格制度から職務等級制度への移行過程において,大規模な従業員格付の変更が実施されたわけであるが,その中で労働意欲が向上したのは上位格付けされた管理職層のみであって,同等または下位格付けされた管理職層ならびに非管理職層の労働意欲は下落した.このことから,A社における成果主義的人事改革は,その目的である労働意欲の喚起に必ずしも成功してないという結論が導かれた.
なお,今後は,同種の分析を産業を変えて実施したいと考えている.とくに従業員個人のアウトプット情報が得られる産業に注目し,分析の一般化を図りたい.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 成果主義的人事改革と処遇格差・社員格付制度の現状2005

    • 著者名/発表者名
      都留 康
    • 雑誌名

      賃金事情 第2477号

      ページ: 24-27

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi