研究課題
非ガウス多変量経済時系列の統計的モデリングに関し下記の項目について研究を実施した。1.線形モデルといくつかの非線形モデルのよる予測量を結合して新たな予測量を構成し、結合係数を時変として局所的に線形モデルと各非線形モデルの役割を変えるモデリングを多変量へ拡張する研究を実施し、周辺時系列係数パラメータ間に階層構造を仮定して、パラメータを節約する多変量非線形時系列モデルの可能性について研究した。2.非ガウス多変量時系列の問題として、多項分布やボアソン分布などにしたがう非ガウスのカウント・データの時系列モデルとそのモデリングについて、多変量へ拡張した研究を実施し、そのマルコフ連鎖モンテカルロ法のアルゴリズムを検討した。3.空間構造を取り入れた空間的時系列の統計的モデリングを考慮して、空間的構造変化に基づく非ガウス性を有限混合分布モデルや隠れマルコフ・スイッチング・モデルによってモデル化する方法の可能性について研究した。正規性からの乖離を表現するモデルの表現とマルコフ連鎖モンテカルロ法による推定アルゴリズムについて研究した。4.非対称な市場反応を表現する2変量非線形時系列モデルを閾値型の関数系で与え、実際のPOSデータへ適用して実証研究を行い、その有効性を実証した。その際、売上げ時系列に対して店舗レベルの参照価格が非線形性を駆動する働きをしていることを見出した。さらにこのモデリングの多変量時系列への拡張の可能性について研究した。
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