研究課題
基盤研究(C)
以下三つの分野で合計7本(内二本が英文のレフェリードジャーナルで、一本が英語の本の一章)の研究成果を公表してきた。第一の研究分野は、技術取引についての実証研究であり、クロス・ライセンスが一方的ライセンスと比較して何故大企業間そして同様の規模の企業間で多いかを明らかにするとともに、一方的ライセンスの対価の水準が排他性など契約の特徴、知的財産権の保護の強さとの関係を明らかにした。更に、リサーチ・ツールのライセンスにおいては、下流技術のライセンスと比較して非排他性は低く、かつ安価なロイヤルティでライセンスされる傾向があること、また事前ライセンスと比べて事後ライセンスにおいて排他的なライセンス比率は低いことなどを見出した。第二は、標準に伴う特許プールの形成についての研究であり、逐次的な提携交渉の枠組みで企業間の自発的な交渉によって標準の必須特許の保有企業が全て参加したプールを形成することが出来るか理論的に分析するとともに、MPEG2,DVD及び3Gの各ケースにおける提携形成を、こうした理論的な結果に照らして分析した。また、RAND条件の明確化、標準の形成段階における必須特許のプールへの提供のコミットメントなどの政策対応が今後重要であることを提言した。第三は、研究開発における先行知識の活用についての研究であり、サイエンス・リンケージの強さで評価した科学知識の活用が研究開発のパフォーマンスを特許の質と量の両面で改善することを実証的に示した。また、特許法の試験研究例外の在り方を研究し、恒久的な研究開発競争の文脈では、主題の研究を特許権侵害の例外とすることは、新規の研究開発を促すことになり、合理的であることを明らかにした。パイオニアの研究開発誘因を保護するためには製品市場における権利範囲を調整することが妥当であることを提言した。
すべて 2006 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (13件)
リサーチ・ツールなど上流技術の特許保護の在り方の研究(一橋大学)(研究代表 長岡貞男、大学における知的財産権研究プロジェクト研究成果報告書)
ページ: 109-132
Economic and Management Perspectives on Intellectual Property Rights (edited by Carine Peeters, Bruno Van Pottelsberghe de la Potterie, Palgrave)
ページ: 171-198
IIR Working Paper WP#06-04(Hitotsubashi University)
ページ: 20
In the Study on patent protection of upstream investigations such as research tools (Hitotsubashi University) (research director : Sadao Nagaoka)
in Economic and Management Perspectives on Intellectual Property Rights (edited by Carine Peeters, Bruno Van Pottelsberghe de la Potterie, Palgrave)
IIR Working Paper (Hitotsubashi University) WP#06-04
Journal of the Japanese and International Economies Volume 19, Issue 2
ページ: 233-254
IIR Working Paper WP#05-01 (Hitotsubashi University)
ページ: 23
IIR Working Paper WP#05-01
経済研究 55巻4号
ページ: 345-357
IIR Working Paper (forthcoming in the Research Policy)(Hitostubashi University) WP#03-02
ページ: 24
Keizai-Kenkyu Vol.55, No.4
IIR Working Paper WP#03-02, Hitotsubashi University(in the Research Policy) (forthcoming)