本年度の研究実施計画に従い、以下の調査研究を行った。 (1)中東欧進出企業に対するアンケート・ヒアリング 今年度は海外展開を行っている日本本社企業の調査訪問を進めた。調査の焦点は、進出先でどのような管理運営方式を採用しているかにあった。調査による主要な結論は、現地従業員に対する管理運営方式が、生産工程の段階(川下であるか、川上であるか)、投資の形態(既存企業の買収か、新規投資であるか)によって異なる点である。 (2)海外の研究機関との交流 平成16年3月2日-11日にオーストリア・ウィーン、ハンガリー・ブタペストに出張し、オーストリア経済研究所、世界経済研究所(ハンガリー科学アカデミー)の研究者との交流を進めた。意見交換を通じて、中東欧諸国における日系企業をめぐる新たな投資環境の変化の実態を確認するとともに、本研究で行うパネルデータ分析のためのデータベース構築の支援を得た。 (3)日系企業の中東欧諸国での事業活動に関する実証分析 上記(1)の調査研究で、日系企業の中東等諸国での事業活動形態の特徴を、アジアにおける日系企業のそれとの比較で一定程度明らかにすることができた。上記(2)の作業を通じて、パネルデータ分析のためのデータベース構築が一定程度進み、次年度における本格的な実証分析の足がかりを作ることができた。分析結果の一部を次年度中にまとめる予定である。
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