本年度の研究実施計画に従い、以下の調査研究を行った。 (1)中東欧進出企業への調査訪問 昨年度に引き続き、海外展開を実施している日本企業への調査訪問とともに、今年度はポーランド、ハンガリーに焦点をあて、平成17年2月下旬から3月上旬にかけて日系企業の現地調査を行った。調査訪問した企業は、全て自動車関連企業で、ポーランド5社、ハンガリー1社である。調査内容としては、それぞれの企業がおかれている競争環境(販売ネットワーク、原材料調達方式)、および経営管理方式を探ることを重点に置いた。 来年度は、チェコ、スロバキアの日系企業の調査訪問を予定している。 (2)海外の研究機関との交流 上記訪問期間において、ポーランド投資庁(PAIZ)のスタッフ、およびオーストリア経済研究所(WIFO)、世界経済研究所(ハンガリー科学アカデミー)、およびブタペスト経済大学(ハンガリー)の研究者との交流を進めた。特に、中東欧諸国のEU加盟(2004年5月)以降の各国の経済状況、および投資環境の変化について議論を中心に行った。 (3)実証分析へのアプローチ 上記(1)、(2)の調査研究は、日系企業の事業活動の他の欧米諸国のそれとの比較研究を可能とし、その結果日本企業の当該諸国での事業活動の特徴をより明確にすることができた。これは、現在進めつつある日本の中東欧諸国への海外直接投資モデルを構築し、計量的に分析する際の重要な手がかりとなる。 研究成果については、研究発表論文に掲載されているもののほかに、次年度の早い時期に実証分析結果を公表する予定である。
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