本年度の研究実施計画に従い、以下の調査研究を行った。 (1)中東欧諸国における日系企業調査訪問 今年度は、チェコに焦点をあて、平成17年8月上旬と11月上旬の1回にわけ、日系企業の調査訪問を行った。調査訪問企業は全て自動車関連企業で4社である(そのうち1社は米系企業)。今回の調査の特徴は、アメリカネブラスカ大学のチェコ研究者との共同調査行ったことで、従来の調査方式とは異なった角度からの調査が可能となったと考えられる。11月にはまた、日系企業の欧州での戦略を明らかにする目的で、ベルギーの自動車関連欧州統括企業を訪問した。 (2)海外の研究機関との交流 上記訪問期間、及び3月上旬に、チェコインベストのスタッフ、およびオーストリア経済研究所(WIFO)、正解経済研究所(ハンガリー科学アカデミー)、経済研究所(ハンガリー科学アカデミー)の研究所との交流を進めた。今回は、日系企業をめぐる中東諸国での投資環境、および日本的経営方式のあり方について、議論を行った。 (3)実証分析 上記(1)、(2)の調査研究にもとづき、日系企業の中東欧諸国での事業活動の特徴を論文としてまとめた。さらに、日本企業の直接投資が、国内の設備投資に近年どのような影響を及ぼしているのかについての計量分析結果を論文としてまとめた。 次年度の早い時期に、欧州における日系企業の競争力についての実証分析結果を公表すべく準備を進めている。
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