当研究は、旧共産圏であった中欧諸国がEUに加盟し市場経済に移行することによって起こりうる、準備期を含む過渡期の歪みや問題点について、海外共同研究者を通じて各国における個別の事例の調査をおこない、今後起こりうる現象等について検討することを目的としている。 初年度の研究活動は、8月までは海外共同研究者とE-mailによる意見交換を行った。しかし、調査対象諸国の事情が多様なことから、今後の調査の方向性について個別に具体的打合せをおこなう必要が生じ、8月の段階で現地7カ国を訪問した。また訪問時にはデータの所在確認および調査を行った。 同時に、バルト諸国においてはEU加盟交渉の確認に関する国民投票の時期でもあり、投票者、関係政府機関、民間組織、国民運動に関わる人々へのインタビュー等現地調査・記録を行い、データを収集した。 8・9月の現地調査・打合せをふまえて、平成16年4月には現地であるハンガリー・ブタペストにおいて、全海外共同研究者が集まり1回目のワークショップを開催し、これまでの成果を確認するとともに、浮上した問題点について検討し、秋に開催する当研究最終のワークショップにつなげる。
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