東北地方を中心とする175商店街に対するアンケート調査を実施し、以下のようなことが判明した。 商店街の活性化を主体的に規定するのは、商店街の組織状況である。盛衰別でみても、繁栄商店街は法定組合の比率が最も高く、青年部の活動が活発である。停滞ないしは衰退商店街は婦人部ががんばっている。商店街でのリーダーシップは、概ね現況が良い商店街ほど「ある」とする比率が高い。次世代のリーダーも現況が良い商店街ほど次世代のリーダーがいる比率が高く、組合員間の連携・協力も良い。こうしたもとで進められる商店街近代化などのハード面の整備はアーケード、街路灯、町並み・街路整備(カラー歩道等)に向けられ、その効果は、概ね現況が良好な商店街において売上効果が比較的よく出ている。悪い商店街での行わなければ、さらに衰退するが、行ったからといって実施効果は厳しかった。またソフト事業についても実施したうちの効果の程度は楽観できるものではない。 空き店舗対策はあまり進んでおらず、しかも具体的対策でも誘致活動、店舗斡旋、補助金活用など従来型から脱却するにはいたっていない。商店街としての開店支援策は花輪、セールなどの手伝いの他に、祝い金や家賃補助などが出てきている。商店街活性化政策として登場したTMOは、なお動きが弱いものの、現況が良好な商店街ほど動きが良く、しかも良い効果が出ている。高齢者対策への取り組みは、歩道などのバリアフリー化が最も多く、宅配サービス、高齢者がコミュニケーションできる施設、休憩所・トイレの設置などが目に付く。商店街における活性化戦略の展開は、現在のキーワードはTMO、空き店舗対策、集客、イベント、高齢者、個店の努力、再開発事業等であるものの、エコロジー作戦なども芽生えている。今後の活性化戦略については、高齢化・環境問題・文化活動などを主軸としたまちづくりとの連携が前面に出始めている。
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