本研究の目的はNPO法人と商店街との連携が中心市街地の活性化にいかなる役割を果たすのか、その経済的効果はいかなるものが期待されているのか検討した。 大店立地法は売場面積規模が数万m^2に達するほどの出店申請をほとんど全て認め、これが周辺環境問題とりわけ生活環境問題を悪化させた。中小企業団体や地方自治体から厳しい意見が出され、まちづくり三法の改正が着手された。 労働効率、売場効率、販売効率の検討から、大型店は売場面積が2〜3万m^2を超えないと効果が現れず、このことが売場面積規模を大きくする原因であることが判明した。また最寄品中心型商店街をロードサイド型と比較すると、売場効率では遜色のないものの、労働効率がかなり悪いことがわかり、これが地方都市中心商店街の衰退原因であることが判明した。 地方都市中心商店街を活性化する方途の一つとしてNPO等との連携がある。中心市街地に訪れる生活者は中心商店街に、コミュニティの維持発展の基盤となる「安全・安心」、買い物などのサービス利便性、公共的性格を持つ交流・サービス機能、歴史的文化的豊かさ、地球環境問題への対応等に期待を寄せている。各種調査からこうした生活者の複合的かつ多様なニーズへの対応には、「商い」を専らとする商業者がNPO等と連携することが不可欠であることが判明した。 福島県福島市では2002年度から「市民協働型まちづくり」に取り組み、企画提案型事業の公募、人材育成のための「まちづくり楽校」の開校、市民電子会議室の設置などの成果を出している。なかでも「ふくしま城下まちづくり協議会」の取り組みが注目される。この協議会は市民協働型でペーパープランにとどまっていた地区計画に生気を吹き込み、福島市が借上住宅として活用する商住型民間マンションが建設され、定住者の増加により伝統的なイベントも活気を取り戻し、まだ事例的に過ぎないものの、店舗が新規開店した。
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