研究課題
(1)目的と主要な作業課題本研究の目的は、アジア危機後のタイにおける外国銀行の進出効果を、銀行ミクロ・データを利用して分析することである.主要な作業課題は、(1)外国銀行の進出効果に関する理論的視座の検討、(2)タイ国内銀行の聴き取り調査、(3)ミクロ・データを用いた計量経済分析、(4)タイの分析結果と他国・地域との比較検討、の4つである。(2)平成15年度および平成16年度に渡る研究成果作業課題(1)について:アジアの事例研究を念頭に置いて、理論的な視点から中欧・ラ米諸国の先行研究の論点を整理した。その成果は、「外国銀行の進出と途上国の経済発展-アジア研究に向けた論点整理の試み-」国宗浩三・久保公二編(2004)『金融グローバル化と途上国』アジア経済研究所、として発表した。作業課題(2)について:平成15年度バンコク現地調査で実施したアンケート調査結果を分析し、タイ地場銀行業の対応をフィリピンの事例と比較しつつ検討した。その成果は『開発金融研究所報』(11.を参照)に発表した。作業課題(3)および(4)について:計量分析結果は2本の論文に纏められている。CEI Working Paper Series No.2004-20(11.を参照)は、中欧・ラ米諸国の先行研究を踏襲して地場銀行の経営指標の回帰分析を行ったもので、平成16年日本金融学会秋期大会報告論文である。また、CEI Working Paper Series No.2004-19(11.を参照)は、より厳密に費用関数を推計して地場銀行と外国銀行の生産構造を比較し外国銀行の進出効果を分析したもので、2004年East Asian Economic Association国際大会の報告論文である。さらに、アンケート調査と計量分析の結果を纏めたものは、『ASEANの為替制度と域内金融市場の発展に関する研究会報告書』(11.を参照)に所収される予定である。
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CEI Working Paper Series (Hitotsubashi University, Economic Research Institute, Center of Economic Institute) No.2004-19
ページ: 11-40
CEI Working Paper Series (Hitotsubashi University, Economic Research Institute, Center of Economic Institute) No.2004-20
ページ: 1-30
開発金融研究所報(国際協力銀行開発金融研究所) 第19号
ページ: 52-80
