1.図書『EUの東方拡大と南東欧-市場経済化と小国の生残り戦略-』(ミネルヴァ書房、2004年6月)を刊行した。これの第4章で中東欧の投資環境を概説し、第10章で南東欧の劣悪な投資環境について概説し、第11章で2007年にEU加盟が予定されているブルガリアとルーマニアの実情を紹介した。 2.UNCTADのWorld Investment Report 2003やトランスペアレンシー・インターナショナルが発表したGlobal Corruption Report 2004を読み、先進工業国や中東欧と比べた、南東欧の行政の腐敗度やインフォーマル経済の大きさを知ることができた。 3.EUが発表した「安定連合プロセス第3回年次報告書」を読み、西バルカン(クロアチア、セルビア・モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニア、アルバニア)の経済再建とEUとの統合の到達点を知ることができた。 4.西バルカンの投資環境を調査するため、9月19日から9月27日にかけてセルビアのベオグラードを訪問した。9月22日に現地の日本大使館を訪問し、公使および一等書記官と面談し、現地の実情について説明を受けた。9月23日にメガトレンド大学を訪問し、ヴェルカ・ヨヴァノヴィチ学部長らとセルビア経済の現状について議論した。23-25日にベオグラード大学で開催されたEACES(ヨーロッパ比較経済体制学会)第8回大会に参加し、中東欧ならびに南東欧の経済事情に関する多くの報告を聴くことができた。この現地調査の成果の一部は、論文「セルビア・モンテネグロ-現状と再生への道-」と「安定連合プロセスと南東欧の投資環境-西バルカンを中心に-」の中に盛り込まれている。
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