研究課題/領域番号 |
15530181
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
伍賀 一道 金沢大学, 経済学部, 教授 (20104870)
|
研究分担者 |
澤田 幹 金沢大学, 経済学部, 教授 (10215915)
|
キーワード | 人材ビジネス産業 / 労働者派遣事業 / 民営職業紹介事業 / 公的職業紹介事業 / 業務請負 / 派遣労働者 / 間接雇用 / 労働者供給事業 |
研究概要 |
本年度に実施した調査研究は次の4点である。 1.日本における人材ビジネス産業の隆盛による新しい雇用形態の創出の現状を明らかにし、あわせて「間接雇用」の理論的研究を行った。1990年代後半以降、非正規雇用の中で特に派遣労働や業務請負等の「間接雇用」が急増しているが、その背景に人材ビジネス産業の台頭があることを実証的に分析した。また「間接雇用」の経済的意味について検討し、労働力商品をリースの対象とすること、及び「雇用主責任代行サービスの商品化」であることを示した。 2.派遣労働や業務請負の実態を明らかにするために業務請負として就労している労働者の聞き取り調査を行った。注文主(派遣先)による事前面接や製造ラインにおいて直接指揮命令が行われている実情を把握し、これらの問題点は「間接雇用」に伴う必然的なものであることを理論的に明らかにした。 3.拡大している非正規雇用が安定的雇用に転ずるための条件を探るために、石川県内企業を対象にフリーターに対する企業の採用意識についての調査を行った。他の調査機関が実施した全国調査と同様に、フリーター経験者に対するマイナス評価が強いことが明らかになった。 4.オーストラリアの人材ビジネス産業の実態を解明するために業界組織、人材派遣業者、労働組合等に対する聞き取り調査を現地で行った。同国では派遣労働や民営職業紹介等の人材ビジネスにたいする法的規制はないが、他方、派遣元と労働組合間の労働協約締結や、派遣労働者にたいする派遣先産業のaward適用など労働組合の規制力が機能していることを発見した。日本の政策課題を探る際にオーストラリアの規制緩和の面だけを捉えることは一面的であることを示した。 アメリカの人材ビジネス産業による雇用創出の現状について、業界組織の文献資料(定期刊行物)をもとに分析した。
|