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2003 年度 実績報告書

中央アジア移行経済における移行政策、国際協力、それらの政策評価:モンゴルのケース

研究課題

研究課題/領域番号 15530187
研究機関神戸大学

研究代表者

上野 宏  神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (10324906)

キーワード移行経済 / モンゴル / 移行政策 / 政策評価 / 発展途上国 / 体制移行 / 国際開発援助 / 構造調整
研究概要

1.本年度の研究は、二つの柱を設定した。第1は移行の理論的分析枠組みの策定、第2はモンゴル政府による移行政策の実態把握である。
2.1については、移行に関する主に英語文献を渉猟し検討を行い、米国へ出張し世界銀行エコノミスト、メリーランド大学教授、及びシンク・タンク研究員に対しインタビューと討議を行った。それらの結果、経済移行政策は基本的に以下の6分野からなるとの当面の枠組みを形成した。即ち(a)安定化政策(stabilization);(b)活動と価格の自由化政策(liberalization);(c)制度・組織の変換と構造調整:これには憲法を始めとする法制度の変換、組織の変換、民営化、公有企業改革、金融部門改革、財政部門改革、貿易システムの改革、対外債務戦略設定、行政改革、教育・医療制度の改革といった多くのサブ政策が含まれる;(d)民間部門と市場の育成;(e)対象を絞った社会的安全網の形成:これには社会保険制度の変換、貧困戦略設定といった政策が含まれる;及び(f)発展戦略とそれを実現する為の財政プログラム;である。
3.第2については、別の機会にモンゴルを訪れた際に、本研究についても資料収集を行い、考察を行った。その結果、モンゴル政府の移行政策は2段階で把握する事ができるという作業仮説を得た。即ち(a)初期政策期(1990〜1997)と(b)第2政策期(1997〜現在)である。初期政策は、先ずグラデュアリズムではなくビッグ・バン政策で出発した。この時期に、社会主義制度を廃棄し新しい市場経済(経済から見た場合)と民主主義(政治から見た場合)の諸制度の導入整備を行い、一応の形を整えた。第2政策期では、初期政策の未整備部分・不成功部分の導入・改善・修正という段階に入って行った。
第2年度以降は、以上の結果を更に検討・正確化すると共に、モンゴル経済のパーフォーマンス実績と国際援助機関の移行支援政策の実態調査と分析を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 上野 宏: "モンゴルの経済移行と双子の赤字"国民経済雑誌. 189巻4号. 1-16 (2004)

  • [文献書誌] 上野 宏: "政策工学試論:政策プロセス、政策評価、及び予算策定"日本評価研究. 4巻1号. 1-21 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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