1 データソース 以下に示すデータソースから日本の各受入国に対する経済協力支出のパネルデータを構築した。無・有償額は、外務省「政府開発援助(ODA)国別データブック」から、そして、有償食料援助と金利は、経済産業省「経済協力の現状と問題点」による。ただし、同一プロジェクトに対する有償援助に対し金利が複数存在する場合は、国際協力銀行から各金利に対応する額を直接情報提供いただいた。1人あたり支出額を出すための人口データは、国際連合「世界人口年鑑」と世界銀行「World Development Indicators」から、実質額を計算するためのGDPデフレータは、内閣府経済社会総合研究所「長期遡及主要系列国民経済計算報告」と「国民経済計算年報」による。国際機関のデータに台湾が含まれていないため、台湾の人口データは「Taiwan Statistical Data Book」による。 2 パネルデータ このデータセットには、受入国、地域、分野別の名目・実質総・1人あたり額が含まれている。対象地域は10あり、アフリカ-サハラ以南・北、ヨーロッパ、中東、中央・東・南アジア、太洋州、中・南米となっている。対象分野は、外務省「政府開発援助(ODA)白書」に従い、農林水産業、鉱工業、経済インフラ、社会インフラ、構造調整、緊急、その他の7つとした。有償と無償では、各対象分野に含まれる細分類項目に多少の違いはあるが、各分野のフロー額を計算する必要があるため、あえて同じ対象分野を用いることにした。基本的な統計分析を終了していないが、各国の対象別支出は、時系のトレンドをほとんど示していないようである。来年度以降には、OECDの援助対象分野に合わせてデータセットを再分類し、世界全体と日本の援助額を比較し、受入国の成長要因を明らかにしたい。
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