研究課題/領域番号 |
15530195
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
秋田 隆裕 国際大学, 大学院・国際関係学研究科, 教授 (50175791)
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研究分担者 |
COORY S.Nawalage 国際大学, 国際関係学研究科, 助教授 (50350723)
徳永 澄憲 筑波大学, 農林学系生命環境科学研究科, 教授 (10150624)
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キーワード | 産業の地域集積度 / 地域の所得格差 / 日本 / 規模の経済性 / 交通費 / 労働集約度 / 産業連関度 |
研究概要 |
今年度は、特に日本に焦点を当て、(1)地域間経済格差の要因分析と(2)地域格差をもたらす大きな要因である産業集積の分析を行った。(1)では、戦後日本における長期間(1955-2000)の所得と労働の地域別・産業別データを用いて、地域間経済格差をタイル尺度や変動係数により計測した。また、タイル尺度の地域別要因分解式と変動係数の産業別要因分解式により、地域間経済格差の要因分析を行った。この研究によると、戦後日本の地域間経済格差は、石油危機を境にして2つの逆U字型カーブを描くようにして変化してきたことが分かった。その背景には、重化学工業化の進展-脱重化学工業化-ハイテク・知識集約型産業化-景気後退による基幹産業の低迷という経済・産業構造上の変化と東京・大阪二極化傾向-太平洋ベルト地帯とその外延部への分散-東京一極集中-バブル崩壊による東京一極集中化傾向の解消という地域構造上の変化が複合的に影響しあっていることが分かった。一方、(2)では、1985年と1995年の県別製造業データを用いて、産業の地域集積度を計測しその変化を分析した。なお、製造業データは、3-digit ISICレベルの製造業分類による製造業データを用いた(合計80製造業)。また、KrugmanのNew Economic GeographyモデルとHeckscher-Ohlinモデルから導き出される産業集積度に関する仮説の検証も行った。具体的には、産業の地域集積度が産業別の規模の経済性、交通費、後方および前方産業連関度、労働(あるいは資本)集約度とどのような関係があるのかを重回帰モデルを用いて検証した。この分析によると、産業の集積度と労働(資本)集約度については正の有意な、一方交通費については負の有意な結果が得られた。しかしながら、後方および前方産業連関度については有意な結果を得ることができなかった。
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