平成15年度は、まず、タイ国政府機関が発行しているジャスミン・ライスに関する各種資料・報告書類を調査し、その収集につとめた。中でも、農業・農業組合省農業研究局米研究センター、農業振興局、農業商業事務所において、ジャスミン・ライスの生産・輸出・価格に関する基本資料を収集した。農業研究局米研究センターにおいては、ウオラウィット・パーニッチャパット氏のタイにおける米の品種改良の歴史に関する資料などを収集し、農業振興局においては、タイ国内でジャスミン・ライスとして流通している米の代表的な品種Khao Dok Mali 105やKo.Kho.15などの品種特性・栽培方法等の解説書等を収集し、さらにタイ国における米の品種改良の歴史の中で1950年代に在来品種として収集されたジャスミン・ライスがタイ国内出の栽培実験に供され、国内、特に東北タイに拡大した過程にかかわる資料を調査した。また、ジャスミン・ライスの生産・精米・輸出については、まず、ジャスミン・ライスの代表的な産地である東北タイ地方、中でもその生産で有名ローイエット県においてジャスミン・ライスの生産・精米に力点をおいている同県南部の農業協同組合を訪問し、ジャスミン・ライスの生産及び精米に関する現況や問題等のヒアリングをおこなうなど、今後の調査につながる予備調査をおこなった。さらに、バンコクにあるタイ国米輸出業協会において、ジャスミン・ライスの精米と輸出に関する歴史と現況についてヒアリングをおこなった。また、チュラーロンコーン大学中央図書館、タムマサート大学プリディ・パノムヨン記念図書館、マハーサラカーム大学学術情報センター(東北タイ資料センター)およびマティチョン出版社資料センターにおいて、ジャスミン・ライスに関する論文や新聞記事等を調査・収集した。
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