研究課題
基盤研究(C)
平成15年度は、1950年代以降のジャスミン・ライスの品種選抜や国内栽培奨励に関するタイ国農業・協同組合省の資料を収集・分析した。さらに、農業・農業組合省農業研究局研究稲研究センター、農業振興局、農業商業事務所の作成した、ジャスミン・ライスの生産・輸出・価格に関する基本資料を収集・分析した。平成16年度は、バンコクで開催されたタイ国米輸出業協会主催の国際会議Thailand Rice Convention 2004に参加し、タイの主要な米輸出業者、香港、欧米、インド、アフリカなど海外の主要なタイ米輸入業者らが討議する世界の米貿易動向やタイ米経済の現状・課題などについて情報を収集した。また、前年度に続き、農業・農業組合省農業研究局研究稲研究センター、農業振興局、農業商業事務所の作成した、ジャスミン・ライスの生産・輸出・価格に関する基本資料を収集・分析すると同時に、タイ商業省が、精米及び輸出段階で頻発する米の混入問題と品質低下問題を解決するためにおこなったジャスミン・ライスの輸出基準強化のプロセスについて資料を収集した。本研究では、タイ農業・協同組合省が、ジャスミン・ライスの品種選抜とその栽培普及に尽力し、ジャスミン・ライスが東北タイ地方を中心に栽培が広がる基礎的条件を整える上で、重要な役割を果たしたことを検証し、かつまた、ジャスミン・ライスの輸出商品としての品質基準強化や主要輸出地である香港市場との貿易交渉を通じてタイ商業省がその海外市場拡大に重要な役割を果たしてきたことを検証してきた。研究題目「タイ産高級米ジャスミン・ライスをめぐる政治経済学的研究」の中で、あえて「政治経済学的研究」と題しているように、ジャスミン・ライスの生産と輸出の発展が、単に民間部門の努力だけで実現したわけではなく、政府の農業振興政策や貿易振興政策と深く結びついていたことを明らかにしようとした。
すべて 2005 2003
すべて 雑誌論文 (4件)
IOC UT Symposium Sugar, Coffee, Tea and Rice in Economic History of Modern Asia Interim Reports, Institute of Oriental Culture, University of Tokyo
ページ: 2-17
アジア太平洋経済圏史1500-2000(川勝平太編著)(藤原書店)
ページ: 199-228
Asia Pacific Economic History : 1500-2000 (Heita Kawakatsu(ed.))(Fujiwara Shoten)