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2005 年度 研究成果報告書概要

日米欧開発支援政において輸出信用機関が果たす役割についての国際比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530204
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 経済政策
研究機関名古屋短期大学

研究代表者

茶谷 淳一  名古屋短期大学, 教授 (30236822)

研究期間 (年度) 2003 – 2005
キーワード輸出信用機関 / 途上国貿易 / 世界貿易 / 開発貿易金融 / 民営化 / 構造調整政策 / 貿易政策 / マージナル化
研究概要

本年度は各国の輸出信用機関がなぜ開発貿易金融の中心的な地位からの後退を迫られているのかを、1990年代以後の途上国貿易の特徴を明らかにすることから考察した。それが財政危機への対応として取り組まれたという理解は、1980年代以降の途上国の債務危機やリスケジューリングの頻発にもかかわらず、先進諸国の公的輸出信用機関の財務状況がいずれも良好であったことからも事実に反するか、少なくとも主因ではないと考える。そこで輸出金融機関の地位の後退を、その発展に重要な役割を果たしてきた途上国貿易の変化から明らかにしようと考えた。そこで得られて結論は次の通りである。1.先進国における途上国貿易の重要性の低下であり、特に市場としての重要性が低下し、先進国が求める原料・資材・商品の供給基地と化していることである。世界貿易における途上国貿易のマージナル化が急速に進んでいる。90年代後半以後は欧米諸国と東アジア諸国が関係する貿易が世界貿易のほとんどを占め、一方その他の地域内の貿易の比重が大幅に低下した。また後者から前者への輸出が急増する一方で、前者から後者への輸出は減少する。このような途上国地域の購買力の増大を伴わない輸出の増大、先進国市場への依存の強化という現象を「途上国貿易のマージナル化」と呼んだ。2.途上国貿易のマージナル化は(1)構造調整政策などに見られる途上国貿易の自由化政策、(2)先進諸国の非開放的な対途上国貿易政策、(3)PFI方式の導入にみられるような途上国の開発金融の証券化や経済の民営化・規制緩和の進展、(4)輸出信用機関の民営化などの原因によって生じている。以上から輸出信用機関が開発貿易金融の中心的な役割から後退した理由は、先進国における途上国貿易の重要性の低下であり、途上国貿易の「マージナル化」にあると結論づけた。今後は全訳したIMF文書の公表準備を急ぐほか、輸出信用機関民営化の原因を「開発金融の自由化」の側面から解明する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 途上国貿易のマージナル化について2006

    • 著者名/発表者名
      茶谷淳一
    • 雑誌名

      名古屋短期大学研究紀要 第44号

      ページ: 115-122

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] On Marginalization of developing countr trade2006

    • 著者名/発表者名
      Chatani, junichi
    • 雑誌名

      The Bulletin of Nagoya college No.44

      ページ: 115-122

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2007-12-13  

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