• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

株式指数オプションの証券設計に内在する取引費用節約効果と証券会社の市場流動性供給

研究課題

研究課題/領域番号 15530212
研究機関早稲田大学

研究代表者

谷川 寧彦  早稲田大学, 商学学術院, 助教授 (60163622)

キーワード流動性供給 / ティック・データ / マーケット・メーカー
研究概要

オプションに内在する取引節約機能をとらえるため,日経平均指数オプションを念頭においてモデル開発を行なった。現在は,データ分析を深化させる途上にあり,この結果をまって成果を取りまとめる段階にある。
モデルの骨子は,ボラティリティ・スマイルにみられる行使価格近傍での相対的なオプション価格のディスカウントを,オプションのマーケット・メイクを行う証券会社の行動を通じて説明するものである。ボラティリティ・スマイル現象は,原証券価格が行使価格から離れたオプションの取引価格がブラック・ショールズ価格公式に比べて割高であることを意味する。一般参加者から出される売買注文に応じて取引を成立させるディーラー(証券会社)は,一般の証券については,そうした流動性供給のコストをビッド・アスク・スプレッドから回収できる。例えば,参加者の間で将来予想が違っているなどのため参加者毎に「真の株価」が異なっていると,参加者間で売り買いが交錯し(頻繁に取引され,売買に応じることでスプレッド分の収益を上げられる。頻繁な取引がないときはスプレッド幅を広げることができる。オプション取引の場合,一般参加者からの売買が交錯する主たる要因は原証券価格のボラティリティ変化に対する見解の相違に基づかざるを得ず,原証券価格が変化するにつれておこる通常のオプション取引では,市場参加者が売買の同じ側に立つため,こうした頻繁な取引やスプレッド調整によって収益を上げることができない。そこで,売買の少ない銘柄については割高の価格をつけることで,流動性供給コストの回収を試みる。原証券価格に近い行使価格を持つオプションの取引(出来高)が多い理由は,行使価格近傍でオプションのΔの変化がもっとも大きいためである。
実際のデータは以上のモデルを支持しているが,スマイルの程度(水準)の説明についてはまだ改良の余地がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 再建中企業の証券流通市場の整備に関する研究2004

    • 著者名/発表者名
      谷川寧彦
    • 雑誌名

      大銀協フォーラム研究助成成果報告書 vol.8

      ページ: 1-21

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi