今年度(2003年度)は、名古屋市住民を対象として、自治体サービスの満足度・要望についてのアンケート調査を8月から9月にかけて行った。送付したアンケート調査票は2172で、回答数569(回収率26.2%)であった。アンケート・データの入力・出力は終わり、現在アンケート調査の概要としてまとめつつある。調査概要は来年度早々にも完成する予定である。来年度は、自治体の提供する各住民サービスの満足度と要望の関係について詳しい分析を行い、その結果をまとめる。さらに、今年度は、アンケート調査と平行し、地方自治体の最適規模に関する理論分析を、古川章好(日本学術振興会特別研究員)と行い、論文としてほぼまとまった。この論文は、来年度の日本経済学会で報告する予定である。 また、3月末(16日から28日)には、北欧(主としてスウェーデン)に出張し合併に関する調査を行う予定である。調査目的は、合併計画の作成、合併のプロセスの実際に関わった人からの聞き取りである。スウェーデンでは合併目的、自治体の最低規模を明確にして、合併を進めている。70年代後半の合併は、介護サービス供給の可能な規模で再編された。日本の合併の進め方との違いを明確に理解したい。 最後に、2003年度のこのプロジェクトの関連する論文の学会報告は次の2つである。 (1)日本統計学会(9月、名城大学):下野・古川・三澤・森「地方分権とは何か-Wavelet平滑化法の応用-」(投稿中) (2)日本財政学会(10月、関西大学):前野・下野「合併と地方債残高の削減効果の試算:東三河地域のケース」
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