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2005 年度 実績報告書

戦間期・戦時期日本の社会事業に関する社会経済史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530234
研究機関埼玉大学

研究代表者

沼尻 晃伸  埼玉大学, 経済学部, 助教授 (30273155)

キーワード社会事業 / 救済 / 小田原 / 戦時期
研究概要

1、本年度の研究は、1930年代〜戦時期の農村部における社会事業の実施過程(生活困窮者の救済の実態)と農村行財政との関係に関する資料収集・考察、及び戦時期大都市部における社会事業に関する資料収集・考察の2点に分けることができる。
2、農村部に関しては、昨年度から研究を開始した神奈川県小田原市近郊農村にフィールドを定め、小田原市立図書館への資料収集とともに、その分析を行った。そこで得た知見を二点にまとめれば、第一に、1930年代における小田原市近郊の農村(主に足柄下郡下府中村を対象)においては、軍需工場の建設が進み地元での雇用機会が増加した結果、小作農民にとっての生活保障としての意味を有していた地主小作関係が弱まり、京浜地区に出稼ぎに行くことなく通勤の形で兼業が可能になるなど、それまでの農家経済のあり方が変化した。研究代表者は、この点に関する成果として、「農民からみた工場誘致」を発表した(項目11の研究発表参照)。第二に、地主小作関係の弱化に伴って小作農家が生活困難に陥った際の農民救済の問題が浮上した。対象村の事例では、既に大字の救済機能も弱まっており、隣接する小田原市に編入されることでの生活困難者の救済が構想されていった。
3、戦時期社会事業に関する資料収集については大阪、名古屋などについて行い、資料分析を進めた。戦時都市行財政のなかで社会事業の位置づけが変化し、理念的には軍需工場における労働者の生活保障としての位置づけが強まるものの、実態としては、地域末端の組織に依存した形での事業展開がみられた点、住宅政策に関しては資材の不足が主要因となって計画からは乖離した住宅供給が進められた点が特徴である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 農民からみた工場誘致2005

    • 著者名/発表者名
      沼尻晃伸
    • 雑誌名

      社会科学論集 116号

      ページ: 1-21

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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