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2003 年度 実績報告書

近江日野商人の経営史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530237
研究機関和歌山大学

研究代表者

上村 雅洋  和歌山大学, 経済学部, 教授 (00151837)

キーワード近江商人 / 日野商人 / 家業
研究概要

本研究では、近江商人のうち日野商人を中心に取り上げ、他の近江商人との差異や共通点を検討し、これまで考えられてきた近江商人像を再構築することにあった。日野商人は、商品販売だけでなく、酒・醤油の製造や製薬業などの工業部門を内包しており、近江商人の中でも性格の異なった商人であった。
そこで、平成15年度は、日野商人の活躍した関東地方の史料調査を実施し、高井家、吉村家などの史料の写真撮影を行なった。北海道立文書館では、松前に進出した西川家・藤野家・田付家の文書を写真撮影・マイクロ複写をした。滋賀県では、豊郷町の伊藤忠兵衛家で新たな文書を発見した。日野町では、日野商人館を訪れ、日野商人関係の史料を閲覧・写真撮影した。滋賀大学の史料館では、中井家文書を閲覧し、店則・「要用記」や「日野商人組合」関係の史料などを写真撮影した。このように、平成15年度は、日野商人を中心とした史料調査を幅広く行い、史料の所在、史料の性格・内容を掌握することに重点を置いた。現在、以前調査した日野商人の正野玄三家の史料を含め、これらの史料の解読を行い、分析しつつある。
そこでは、正野家の奉公人における本家中心の家業維持体制のあり方、中井家の「要用記」などにより当主の行動軌跡が明らかになった。また、関東地方では、日野商人が村々へ入ってくることを禁止する触書が残されており、そこには「日野商人一切入申間敷事」とあった。商品経済を促進し、その結果在村の秩序を乱すことになる領主側の理解が把握でき、興味深い発見であった。
今後、これまで集積した日野商人関係の史料を分析して行くとともに、その再調査を含めた研究を行い、日野商人の実態の解明に大いに寄与したい。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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