研究の目的は、大蔵省『主税局統計年報書』と東京・大阪・京都・名古屋・長野・熊本・仙台・札幌・広島・丸亀の各税務監督局『税務統計書』所収の営業税データを用いて、戦前期日本における在来産業の全国展開を検討することにある。その際、製造業のみならず、研究蓄積の薄い商業・サービス業についても検討することを心がけること、および道府県レベルにとどまらず、市町村レベルにまで踏み込んで、数量的に実証することを、本研究では目指している。 今年度は、国内出張を行って、東京・大阪・京都・名古屋・長野・熊本・仙台・札幌・広島・丸亀の各税務監督局『税務統計書』に所収されている営業税データを集めた。さらに、聞き取り調査などで、未発見資料の探索を試みた。昨年に引き続き、入手できたデータから、順次コンピュータへ入力する作業を進めたが、資料の残存状況が悪く、データの探索活動と整理作業に時間をとられたので、データベース作成の作業進捗度は60%程度である。 また、研究遂行上必要な意見交換のために、大阪などに出張し、上記研究について報告を行い、参加者から有益なコメントを受けた。この研究報告をまとめることで、二本の論文を執筆した。さらに現在、鋭意、続く論文を準備中である。
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