本研究の目的は、大蔵省『主税局統計年報書』と東京・大阪・京都・名古屋・長野・熊本・仙台・札幌・広島・丸亀の各税務監督局『税務統計書』所収の営業税データを用いて、近代日本における在来産業の全国展開を検討することにある。その際、製造業のみならず、研究蓄積の薄い商業・サービス業についても検討することを心がけること、および道府県レベルにとどまらず、市町村レベルにまで踏み込んで、数量的に実証することを、本研究では目指している。 今年度は、前年度に引き続き、国内出張を行って、東京・大阪・京都・名古屋・長野・熊本・仙台・札幌・広島・丸亀の各税務監督局『税務統計書』に所収されている営業税データを集めた。前年度に引き続き、入手できたデータから、順次コンピュータへ入力する作業を進めたが、資料の残存状況が悪く、データベース作成の作業進捗度は60%程度にとどまった。 ただし、本年度は完成年度であるため、前年度までの蓄積である統計データを用いて、研究の総括を行った。また、大阪などに出張し、この総括内容について報告を行い、参加者から有益なコメントを受けた。以上のような過程を経て、本研究を中心に、今までの申請者の研究を、大阪大学博士学位請求論文としてまとめ、2005年12月26日、大阪大学より、博士号(経済学)を取得した。さらに現在、鋭意、続く論文を準備中である。
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