本年度の研究は、ほぼ当初の計画通りに遂行することが出来た。その概要を記せば次のようであった。 (1)当研究に関連する近年の研究成果のサーベイ 近年アメリカでは、人事労務管理(最近の用語ではヒューマン・リソース・マネジメント)の変遷を20世紀の全体にわたって見直す研究が一つの流れとなっており、当研究の対象時期である第一次大戦〜1920年代においても注目すべき研究成果が出ていた。とくにサンフォード・M・ジャコービィの研究は無視できない。 (2)ハグレー博物館・図書館におけるデュポン社人事部創設に関する経営資料の探索 ・ (3)その他の成果 周知のごとくデュポン社のトップマネジメントは、第一次大戦後から長期にわたってGM(ゼネラルモータース)社の重役を兼務していた。今回の調査において、ハグレー博物館・図書館が所蔵するデュポン社トップマネジメントのファイルにはGM社の資料がかなり含まれていることが分かった。今回は時間がなくてできなかったが、両社の兼任重役のファイルを丹念にチェックすれば、GM社の人事部関連資料を見つけることができるかもしれない。次年度の調査課題の一つに加えたい。
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