| 研究概要 |
1.新聞記事データベースの作成
近代日本が経験した経済恐慌(1890年恐慌・日清戦後恐慌・日露戦後恐慌・反動恐慌・金融恐慌・昭和恐慌)における恐慌関連情報の社会への浸透状況について,地域的偏差ならびに時代による変遷を分析するため,関連する新聞記事の掲載回数・分量・見出しの内容・掲載面・情報伝達の速度等を入力したデータベースの作成作業を引きつづき進めた.今年度は,反動恐慌期について、「中外商業新報」と「時事新報」を中心に記事データベースの作成を進めた.1927年金融恐慌に関しては、全国紙35紙を対象に作成した記事データベースについて、キーワードの設定をひきつづき進めた.主要記事については、画像データベース用にデジタル画像化をおこなった。
2.情報受容過程の事例分析
恐慌情報の浸透状況と受容過程のミクロ分析作業の一環として,三井物産会社「日誌」を資料として、三井物産会社における恐慌関連情報の受容ならびに発信状況を分析した。経済・経営の専門家以外の一般民衆レベルにおける恐慌情報の浸透状況と受容過程を検討する素材収集のために,国立国会図書館、都立中央図書館等において所蔵雑誌・文献の調査をおこなった.
3.報告書の作成
作成した新聞記事データベースの分析と、個別事例分析をもとに、研究成果報告書をとりまとめた。
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