研究課題
平成16年度は、平成15年度に引き続いて文献サーベイとインタビュー(ERP導入企業、ERPベンダー、ERPソフト開発会社)を中心に行ったが、米国での文献サーベイも行った。さらに、これまでの研究成果を英文の論文にまとめて国際学会で報告した。今年度の研究からは以下の3つの点が明らかになった。(1)日本企業におけるERPの導入は他の先進諸国と比べて遅れていたが、導入件数は急増の傾向にある。しかし、企業ではいまだにERPの効率的な活用についての体勢は整っておらず、多額なIT投資が無駄になっているケースが多い。(2)海外の企業でもERPを効率的に使いこなせていないケースが多い。ERPが企業経営に与える影響やERPと組織の適合性については、日本企業との関係に限定して検討する一方で、より普遍的な問題としても捉えて、多角的にERP導入の成功と失敗の要因を明確にしていく必要がある。(3)日本企業のERP導入の成否については、海外の研究者からの関心が高い。日本の実情についての情報発信が少ないために、海外の研究者からの有効なフィードバックが得られていないのは大きな損失である。米国での文献サーベイでは、世界各国におけるERP導入の実態についての最新のケースやデータを入手することができた。平成15年度にまとめたディスカッションペイパーの内容に新しいデータや知見を加えて、英文の論文とし、韓国における国際会議(9^<th> Asia-Pacific decision Sciences Institute Conference)で報告を行った。報告後に各国の参加者から多くの質問が寄せられ、有意義な情報交換が行えた。
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Asia-Pacific Decision Sciences Institute, Proceedings of APDSI 2004 (CD-ROM version)