研究課題/領域番号 |
15530292
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
太田 一樹 大阪経済大学, 経営学部, 教授 (10278880)
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研究分担者 |
藤岡 里圭 大阪経済大学, 経営学部, 助教授 (00326480)
王 怡人 流通科学大学, 商学部, 助教授 (20290538)
細井 謙一 広島経済大学, 経済学部, 助教授 (30279054)
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キーワード | マーケティング / 生産性 / 営業マネジメント / 競争力 |
研究概要 |
本研究の目的は、営業業務の生産性尺度を開発し国際比較を行うことである。営業業務を取り上げた理由は、マーケティング活動において最も競争力を規定する要因であることが明らかになっているからである。また、国際比較の対象国としては台湾を含む中国(以下台湾企業)である。 平成15年度から研究をスタートし、文献調査、コンサルタントや営業管理者などとの研究会を通じて営業活動の問題点や課題点を分析してきた。また国際比較をするために、台湾を含む中国において現地調査を行った。これらの結果を踏まえ、平成16年度においては国内企業を対象に質問紙調査を実施した。 先ず、営業業務の領域を分析しマネジメントの内容について明らかにした。その結果、営業マネジメントを理解する場合、マネジメント対象の次元(組織レベルか個人レベルか)とマネジメント技術の次元(ハードかソフトか)の2軸を設定することが適切であり、この4つセルを用いて国際比較をしてみた。その結果、台湾企業は個人レベルでハードのマネジメントを、他方日本企業では個人レベルでソフトのマネジメントを行っている、つまり個人レベルではなく、むしろ企業と企業の関係によってビジネスが継続することが明らかにされた。台湾企業では営業マン個人の機能的関係が重要であり、日本企業では企業の競争力がビジネス継続の規定因となっていることを示唆している。この相違は、日本と台湾の社会的ネットワーク構造の違い、経済発展段階(システム移転と純化の速度)の差がマクロレベルで影響しているものと考えている。 さらに、営業の生産性向上の要因を詳細に分析するために、競争力と関係性という概念を持ち込み、営業の類型化を試みた。企業の競争力を高める要因である開発力と取引条件適応力を取り上げ、それぞれの条件に適応した(つまり生産性が向上する)営業スタイルを明らかにした。
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