データ包絡分析に関しては昨年度日本マーケティング・サイエンス学会で報告した「DEAアプローチによる媒体選択計画」をレベルアップした内容を、数量モデルを中心とした経営科学の下部組織でマーケティングサイエンスに特化した国際学会(2005 INFORMS Markting Science Conference)で報告した。セッションの聴衆以外の数人から発表内容のコピーの提供を求められた。 今年度は主として、ニューラル・ネットワークの本研究への適用を意識して研究を進めた。昨年度からニューラルネットワークを計算する適切なパッケージソフトの探索を続けてきた。ニューラルネットワークの予測力という観点から、本研究に適用できるかどうかを検証するために、一般に使用されていてデータの性格が明確な2種類のテストデータを使って、入手可能な代表的なソフトの長所・問題点を明らかにした。その結果、データマイニングの分野では定評があるといわれているSAS社のエンタープライズ・マイナーとSPSS社のクレメンタインの両ソフトともデータマイニングという機能全体の一部としての扱いで有れば良いのかも知れないが、ニューラル・ネットワークに特化して広範囲の計算をするという観点からは、更なる展開のための必要なアウトプットの提供が行われないことや使い勝手という意味では、ユーザーとして使用に問題があるといわざるをえない。 本年度新たに探索し入手したNeuralware社のソフトウェアPredictはニューラル・ネットワークに特化したソフトであり、EXCELのアドインとして機能するためユーザーにとっての操作性がよい。基本的な長所であるが、入力変数に対して数種類の変数変換を自動的に行い、出力変数と変換を施した入力変数とのもっとも適切な関係を検出する能力に優れている。このPredictを使って2種類の検証用のデータでその予測力を算出したところ極めて良好な結果を得ることができた。広告キャンペーンのデータに適用したがデータ件数が少ないので良好な結果得られなかった。今後の課題として、ニューラル・ネットワーク適用にあたってのデータ操作や、データの蓄積の必要がある。
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