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2004 年度 実績報告書

現代アメリカにおけるインフォームド・コンセントに関する実態調査研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530317
研究機関東北大学

研究代表者

高城 和義  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00085953)

キーワードインフォームド・コンセント / 現代アメリカ医療 / 医療思想革命 / 医師役割
研究概要

1970年代のアメリカにおいて、古代ギリシャ以来続いてきた医療思想に、革命的変化が起こった。医師の専権体制とパターナリズムとが疑問視され、ともすれば医師の操作の客体とみなされてきた患者の、「自己決定権」が主張され、インフォームド・コンセントが不可欠とされるにいたったからである。本研究は、このインフォームド・コンセントが現実にどのように実施されているのか、それが21世紀に入って、どのような発展をとげようとしているのか、を実態調査によって明かにしようとするものであった。
そのため本研究では、収集した厖大な文献資料を分析するとともに、マサチューセッツ総合病院、ジョージタウン大学医学校付属病院、サンフランシスコ州立大学付属病院をフィールドとして、実態調査をおこなった。その結果、(1)インフォームド・コンセントが着実に実施されていること、しかも(2)アメリカの病院には、バイオエシストや医療社会学者、医療ソーシャル・ワーカー、心理学者などの、医師以外の専門家が協力しつつ役割を果たしていること、(3)インフォームド・コンセントも医師のみの義務と考えられていないこと、(3)子どもや精神障害者の場合でも、インフォームド・コンセントは、家族のみならず本人に対しても不可欠とされていること、(6)そのために、ヴィデオや写真・絵のパネルを用いるなど相手に合わせた工夫を凝らして、ていねいにわかりやすく説明していること、(7)そのためのマニュアルが作られていることなど、総じて「医療思想革命」の洗礼をうけ、それまでの医師-患者関係が大きく変化し、医師の専権体制が終わりをつげていることを確認することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 高齢者役割をどう規定するか2004

    • 著者名/発表者名
      高城 和義
    • 雑誌名

      福祉の人間学(窪田暁子・高城和義編)(勁草書房)

      ページ: 87-112

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] パーソンズ社会理論の思想としての可能性2004

    • 著者名/発表者名
      高城 和義
    • 雑誌名

      パーソンズ・ルネッサンスへの招待(富永健一・徳安彰編)(勁草書房)

      ページ: 155-167

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] 福祉の人間学2004

    • 著者名/発表者名
      窪田暁子, 高城和義編
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      勁草書房

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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