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2004 年度 実績報告書

基層社会の論理構造と現代的展開に関する研究-日本とタイの比較を通じて-

研究課題

研究課題/領域番号 15530329
研究機関神戸大学

研究代表者

藤井 勝  神戸大学, 文学部, 助教授 (20165343)

キーワード基層 / 地域社会 / 村落 / 家族 / 親族 / 近代化 / 日本 / タイ
研究概要

本年度は、(1)東アジア全体の基層社会の類型的な理解の発展、(2)タイにおける基層社会の変容についての量的把握を中心した調査研究、そして(3)日本における基層社会の調査研究の一層の深化を目指した。
(1)については、韓国、中国、フィリピン、インドネシアなどの地域社会と家族に関する研究成果を検討し、東北アジア型と東南アジア型という二分法的類型論を超える枠組みの可能性、そしてその見通しを得た。全体像はさらにつめる必要があるが、日本については、東北アジア島嶼型とでもいう位置にあり、沖縄・台湾・中国南部沿岸部などとの共通性・関連性を重視する理解が必要だという認識に達した。(2)については、東北タイ・マハーサーラカーム県内の1村落を対象としてアンケートによる全戸調査を実施した。それによって家族、親子関係、親族関係、屋敷地共住集団の実態、また地域社会と家族や個人の関係のあり方や変化を把握した。調査の分析はさらに進める必要があるが、少子化、若年層の他出、古いタイプの共同関係の弱まりといった変化の局面は強いものの、新しい社会開発政策の方法論の影響もあり、地域社会や家族において伝統や慣習を意識上は重視する傾向が根強いことは興味深い。(3)については、兵庫県内などで継続的な聞き取り調査を行った。それを通じて、若年層の都市移動による過疎化・高齢化の一層の強まりのなかで、基層社会の現代的展開を担う主体が地域社会内部に存在しにくい、あるいは成長しにくい現実を再認識した。この側面はタイの状況とはかなり違っているように思われる。
なお、タイと日本の基層社会の比較については、2004年3月末に開かれたアジア農村社会学会大会で、社会変動(近代化)論を踏まえながら整理した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 近代化における日本村落・タイ村落2005

    • 著者名/発表者名
      藤井 勝
    • 雑誌名

      経済科学(名古屋大学) 52-4(予定)

  • [雑誌論文] 東北タイ村落における伝統と現代2005

    • 著者名/発表者名
      藤井 勝
    • 雑誌名

      東アジアの家族・地域・エスニシティ(東信堂)

      ページ: 231-248

  • [雑誌論文] 日本村落社会と森林管理の展開2005

    • 著者名/発表者名
      福田 恵
    • 雑誌名

      東アジアの家族・地域・エスニシティ(東信堂)

      ページ: 162-180

  • [雑誌論文] 高度成長期日本における人の移動と家族の変容2005

    • 著者名/発表者名
      奥井 亜紗子
    • 雑誌名

      東アジアの家族・地域・エスニシティ(東信堂)

      ページ: 44-60

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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