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2005 年度 実績報告書

イタイイタイ病およびカドミウム中毒問題の被害・加害構造に関する環境社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15530330
研究機関奈良教育大学

研究代表者

渡辺 伸一  奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (70270139)

研究分担者 藤川 賢  明治学院大学, 社会学部, 助教授 (80308072)
キーワードイタイイタイ病 / カドミウム / カドミウム腎症 / 梯川流域 / 市川流域 / 対馬 / 安中
研究概要

カドミウム(カドミ)による汚染地域は全国に存在するが、国(環境省)は、富山以外のカドミ中毒(イタイイタイ病=イ病とカドミ腎症)の発生を認めていない。よって、富山以外での、カドミ被害者が置かれた状況や健康被害のありようは、各地での取り組みによって大きく規定されてきた。カドミ中毒に限らず、健康被害問題への対応で決定的に重要なのは、(1)被害者の発見(健康被害の実態の把握)、(2)被害者の救済(=健康被害補償)、(3)被害者・住民の健康管理のそれぞれの取り組みが積極的かつ適切に実施されることである。本年度調査では、この3点について、特に被害者運動と各県行政が、どのような取り組みを行ってきたのか、またそれぞれの積極度はどうであったのかを重点的に調査した。運動と行政による取り組み姿勢の積極度を、長崎県対馬、兵庫県市川流域、石川県梯川流域、群馬県安中の4地域で比較検討したが、それを簡潔にまとめれば次のようである。
<被害者の発見・救済・健康管理における被害者・行政の取り組み度の比較>
・対馬:被害者運動、長崎県行政ともに、(1)(2)(3)に関する積極度は大といえる。
・生野:被害者運動の(1)(2)(3)の積極度は大。他方、兵庫県行政の姿勢は極めて消極的。
・梯川:被害者運動は発生せず。石川県行政は、カドミ腎症についてのみ(1)(2)の積極度が大。
・安中:裁判闘争が農業被害補償に焦点化したこともあり、被害者運動、長崎県行政ともに、健康被害に関する(1)(2)(3)の積極度は小。
(注:「積極度」はあくまで4地域の比較における相対的なもの。「被害者運動」には地元の医師・病院の取り組みも含む。「行政」には、行政が組織化した医学者集団を含む。)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 環境省研究班における「医学論争」を考える-因果関係の認否をめぐって-2005

    • 著者名/発表者名
      渡辺 伸一
    • 雑誌名

      第23回イタイイタイ病セミナー講演集(発行:イタイイタイ病対策協議会・神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会)

      ページ: 7-23

  • [雑誌論文] 公害被害放置の諸要因-イタイイタイ病発見の遅れと現在に続く被害-2005

    • 著者名/発表者名
      藤川 賢
    • 雑誌名

      環境社会学研究(発行:環境社会学会) 11号

      ページ: 103-116

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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