研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、主としてコミュニケーション論(相互作用論)の視点から、夫と妻、親と未成人子、高齢の親と成人子、祖父母と孫、きょうだい、などといった家族員の問でおこなわれる日常的な交流を社会学の立場から分析・考察することである。当該研究期間中には、家族コミュニケーションに関する理論的研究と実証的研究をおこなった。理論的研究では、家族コミュニケーションにアプローチするにあたって、現代日本の少子高齢社会における家族コミュニケーションの概要をまとめ、家族コミュニケーション研究の先進国である米国の研究業績を丹念に追うことで、その動向を概観して整理した。また実証的研究では、名古屋市を中心にした地域を調査地として、高齢者を主たる対象にした面接調査を実施した。つまり、名古屋市と浜松市において三世代同居家族を対象にして、家屋構造による家族コミュニケーションへの影響について、また名古屋市の高齢者のパソコン教室受講生を対象にして、パソコンというメディアを介したインターネットとの接触やメール交換が高齢者の生活時間と家族コミュニケーションにどのように影響をあたえているかについて、さらに名古屋市と周辺都市に暮らす三世代同居家族の高齢者を対象にして、高齢者の役割が家族コミュニケーションにあたえる影響についても、それぞれに面接調査から探った。その知見としては、とくに高齢者がテレビ視聴に代わってパソコンでのメール交換をすることによって、マスメディアによる一方的な情報の受け手ではなく、家族や地域、友人などと相互作用的なやりとりにともなう主体的な存在となることなどが明らかになった。なお、当初予定していたテキストとしての小説、および量的な分析材料としての全国家族調査のデータについては分析・考察を試みたが、研究成果としてまとめるには至らなかった。
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家族社会学研究 第18巻第1号
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