今年度は、昨年の量的調査結果を受けて、インタビューによる質的調査をおこなった。対象は、札幌市、前橋市、千葉市、東京都、大阪府、広島市、博多市から抽出した計14名に対してインタビュー調査を行った。8名については2回、6名については1回実施した。インタビュー調査を実施する際には、会話内容はテープレコーダーに録音すること等、本人から同意書を得て行った。 結果、Burnoutスケールによる評価では、情緒的消耗感に注意は2人、要注意が1人あった。脱人格化では、注意1人、要注意1人であった。達成感の衰退では、注意が2人、要注意2人、危険が1人であった。Burnout3徴候の中では、達成感の衰退を感じている人が多い傾向にあり、学歴別では、専門学校出身者5名中3名が、4年生大学卒業者7名中3名が、正常域内になかった。 また、具体的なインタビュー内容から、臨床に対する姿勢の経年的変化が聞かれた。臨床1年〜2年目は、まず臨床になれることが一生懸命であり、肉体的に苦痛であっても、看護職に対する印象や継続に関しネガティブには影響していないようであった。3年〜4年と仕事内容にも慣れが生じると、日々の業務をこなせる安心とマンネリ化が起こり、「なんとなく、このままでいいのかなあ〜」と、考え始めると回答する人が多かった。 このように職業キャリアを増す毎に、看護職を静観する態度が多くなる反面、職業移動するには「どのような転職をしていいのかわからない」というような、漠然とした不安を将来に対し表出する人が多かった。 今後、インタビュー調査を継続し、個人イベントとの関係や職場での役割有無との関係から検討を行いたい。本調査の一部は、関係学会において発表した。
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