本研究は、2つの地域(東北日本6か村・中央日本6か村)の宗門改帳を史料とし、徳川後期農民のライフコースを人口学的指標から明らかにし、彼らのライフイベントが直系家族世帯形成にどのような影響を及ぼしているのかを明らかにする。2つの地域の共通点と独自性から、直系家族世帯形成のメカニズムを解明することが目的である。 本年度は、会津4か村の史料整理とデータクリーニング、中央日本3か村の史料整理、及びデータベース構築をおこなった。主な作業は、以下のとおりである。 1 史料整理:各村の史料に書かれている内容が異なるため、内容チェックをおこなう。 2 データベースの作成:世帯研究の指標を作成するために、昨年に引き続き、麗澤大学東京研究センターに赴き、基礎シート(BDS)の確認作業をおこなう。会津4か村についてはデータクリーニングをおこなっている。中央日本の史料については、データベースの構築をおこなっている。 3 成果報告:2004年10月23日比較家族史学会第46回研究大会、10月28日日仏会館主催「比較家族史討論会」において速水融先生とのジョイントで本研究の成果の一部を報告した。この報告は2005年度中にFamily Historyに掲載される予定である。 本年度は、現地調査を中心におこなう予定であったが、分析作業に費やされる時間を逆算し、データクリーニングとデータベース構築にほとんどの時間を費やすことになり、現地調査は断念せざるを得なかった。データ構築の作業は、最終年の来年度も引き続きおこなわなければならない課題として残った。
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