研究課題
基盤研究(C)
研究成果報告書は、「第1部「ふだん記」運動への社会学的視点」と「第2部「ふだん記」資料編」の二部構成になっている。第1部では、2年間の研究成果、とくに「ふだん記」運動の展開過程を「ふだん記」作品資料分析をもとに考察した成果にもとついて、「「ふだん記」運動と書くリテラシー-書く実践と書く共同体の生成-」というタイトルで、「ふだん記」運動のなかでいかに人びとの書く実践がなされ、どのように書く共同体を生成されたのかを社会学的観点から論述した。また主導者・橋本義夫の「書く思想」とリテラシー論をふまえて、「ふだん記」運動が人びとの書くリテラシーに影響をあたえたのか、書く実践を文化的行為とみるシャルチェの議論にもとづいて社会学的に検討した。第2部では、資料編として、2年間の研究期間に収集した「ふだん記」作品をもとに、研究室で所蔵する全作品をデータベース化した。資料編に盛り込んだのは、1.「ふだん記」作品所蔵リスト、2.五十音順執筆者一覧、3.創刊号執筆者の文章一覧、という三種類の資料である。そのうち1では「ふだん記」全国グループの機関誌『ふだんぎ』と各地グループの機関誌、そして「ふだん記本」や「ふだん記新書」その他の個人単行本という作品群の所蔵リスト、2は、30年以上にわたる「ふだん記」運動のなかで執筆した1139名の個人別の作品リスト、3は創刊号の15名の執筆者のその後の文章を跡づけたリストである。また橋本義夫の手書き文書や映像、音声資料はスキャナによるとりこみによって複製化をおこなったが、これらの資料リストもあわせて載せた。この資料編は「ふだん記」運動にどのような人が参加し、「ふだん記」作品がいかに書かれたのかを示すことを狙っており、今後のさらなる「ふだん記」運動の社会学的研究に寄与する基礎となる資料である。
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社会学研究 77(印刷中)
Sociological Studies(Tohoku Sociological Association) No.77
日本女子大学 人間社会学部 紀要 14
ページ: 1-20
Journal of Faculty of Integrated Arts and Social Sciences, Japan Women's University No.14