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2003 年度 実績報告書

教育と福祉に関する言説の比較歴史社会学的考察―韓国と日本―

研究課題

研究課題/領域番号 15530341
研究機関日本女子大学

研究代表者

尾中 文哉  日本女子大学, 人間社会学部, 助教授 (90233569)

キーワード教育 / 福祉 / 歴史社会学 / 試験 / 比較 / 国際研究者交流 / 新聞記事 / 韓国
研究概要

1.本年度は、交付申請書で予定したとおり、第一には朝日新聞の戦前紙面データベース、戦後見出しデータベースおよび縮刷版を用いて教育と福祉に関する新聞記事の日本における変容について資料収集と分析を行った。第二には、東亜日報のマイクロフィルムを用いて、教育と福祉に関する新聞記事の韓国における変容について資料収集を行った。第三に、教科書を用いた分析については、特に中学高校の社会科教科書に焦点をあてることを定め、図書館所蔵の図書を中心に資料収集を行った。以上に関し、尾中は特に「試験」「受験」に関連する記事、朴は「高齢者」に関する記事に絞って研究を行っている。
2.また、資料収集と情報交換のため、朴が二度にわたり訪日を行った。一度目の訪日(2003年7月)は、主として研究方法や進め方のうちあわせと資料収集にあて、二度目の訪日(2004年1月)では、資料収集に加え、それぞれ中間報告を行った。尾中は「『教育』についての言説の歴史社会学:日本の『試験』を中心として」と題する報告を行ったが、そこでは、「ナショナリズム」という概念を手がかりとして、1920年代から1990年代に至る「試験」に関する言説の流れを、大きく三つの時期((1)1920-1940年代、(2)1950-1970年代、(3)1980年代以降)に分けて論じた。それによると、「ナショナリズム」との関係で試験をとらえると、通常考えられているのとは異なり、(1)と(2)の間に大きな断絶はなく、むしろ(2)から(3)の時期にかけて大きな変化が起こったと考えられることが明らかになった。すなわち、通常(1)は戦前的複線型システムの時代、(2)と(3)は戦後的単線型システムの時代として区別されているが、この観点からは、(1)と(2)の時代における「試験」に対する否定的な言説が、(3)では同じく肯定的な言説が基調となることが明らかとなり、かつそれが「ナショナリズム」の変容と関連すると考えられた。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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